追加された10項目の代謝マーカーについて
- 4-クレソール – 特定のクロストリジアを含めたバクテリアのマーカー
特定のクロストリジアを含めたp-クレソールを生成する腸内バクテリアの増殖を示唆。
4-クレソールはフェノリン生成物で自閉症児によくみられる。プロバイオティクスが腸内真菌のバランスを取る手助けになるとされています。
- トリカルバリル酸 - 食物に含まれる特定の真菌汚染への曝露を示すマーカー
消化器系を通るときに発生したフモニシンから放出された化学的な副産物。
フモニシンはF. verticillioides により生成される真菌毒素です。
高い数値は、フモニシンによって汚染されたコーン、もしくはコーン由来の食物を摂取する事で引き起こされます。
- キノリン酸-炎症と神経毒素のマーカー
キノリン酸はアミノ酸トリプトファン由来の有機酸で、高いレベルでは神経毒にもなります。
キノリン酸のような興奮毒性物質は神経細胞を刺激しすぎるため、 その細胞が死滅することもあります。
キノリン酸によって起された脳毒性はアルツハイマー病、自閉症スペクトラム障がい(ASD)、ハンティントン病、心臓 発作、認知症、うつ病、HIV関連の認知症や統合失調症にも関与していると報告されています。
- 無機リン酸-骨機能/ビタミンD欠陥のマーカー
リン酸の低い数値は、副甲状腺機能低下症、 偽性副甲状腺機能低下症、低リン酸摂取やビタミンD欠陥に関わっています。
- 4-ヒドロキシ安息酸 – バラベン(防腐剤)への曝露を示すマーカー
4-ヒドロキシ安息酸はメチルバラベンの代謝物で、抗真菌作用があり、食品や化粧品の添加物として利用されています。
バラベンは、酸化性リン酸化を通した 細胞ATPの消耗によりミトコンドリアの不機能に関わっているといわれています。
また、パラベンは食物内のポリフェノールの真菌代謝によって生成されてい る可能性もあります。
パラベンは乳がんのサンプルからも高いレベルで検出されていますが、絶対的な関係性はまだ解明されていません。
- 4-ヒドロキシ馬尿酸 –バラベン(防腐剤)への曝露を示すマーカー
4-ヒドロキシ馬尿酸は、4-ヒドロキシ安息酸のグリシン抱合体の一部です。
4-ヒドロキシ安息酸はメチルパラベンの代謝物で抗真菌作用があり、食品や化 粧品の添加物として利用されています。
4-ヒドロキシ馬尿酸は、アントシアニン、フラボノール、ヒドロキシけい皮酸(これらは消化器系でバクテリアにより 代謝される)が豊富なポリフェノールが含まれている果物の摂取により上昇します。
4-ヒドロキシ馬尿酸は、腎臓疾患の末期では、Ca2+-ATPアーゼ (ATPを消費してカルシウムイオンを細胞外に排出する輸送体)の抑制物質であることが分かっています。
- リンゴ酸 – ミトコンドリア機能不全のマーカー
リンゴ酸がクエン酸、フマル酸、アルファ-ケトグルタル酸と同時に上昇すると、チトクロムc酸化酵素欠陥である可能性が高く、これはミトコンドリアエネルギー経路の機能不全を示しています。
- DHPPA – 善玉バクテリアのマーカー
無害で良性のバクテリア、ラクトバシラス、ビフィズス菌や大腸菌は、クロロゲン酸を3,4-ジヒドロキシフェニルプロピオン酸(DHPPA)へ分解するため、その合成物の高い数値はその消化器系内のバクテリアの増殖に関与しています。
- N-アセチルシステイン(NAC) – グルタチオン前駆物質&キレート物質
N-アセチルシステインは強力な抗酸化物でグルタチオンの体内蓄積を高める働きがあります。
体内の液体からも検出され、栄養サプリメントとしても利用され ています。
N-アセチルシステインはタイレノール(鎮痛薬)のような薬剤の毒素を還元し、水銀やその他の重金属からも体を守ります。
- キノリン酸/ 5-HIAA 比率 – 神経毒素と炎症のマーカー
キノリン酸とトリプトファン代謝物5-ヒドロキシインドール酢酸の高い比率は、多発感染、トリプトファン過度吸収、免疫過剰刺激、副腎によるコルチゾールの過剰生成やフタル酸の過剰暴露による炎症などを示唆しています。
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